総合人間社会コースを選択した学生は、「プログラム」を運営する教員のゼミに所属し、その成果を卒業論文で執筆します。学生の所属学科によってゼミの科目名は異なり(公共社会学科は「公共社会学研究Ⅰ・Ⅱ」、社会福祉学科は「社会福祉学演習」、人間形成学科は「演習」)、扱うテーマは所属学科のディプロマポリシーに沿って選択します。
ゼミでは、少人数の学生が指導教官の下で各自テーマを決めて研究を進めていきます。関連する資料や書物、論文を読んだり、ディスカッションをしたり、実際に調査分析を行ったりしながら研究を進め、4年生では卒業論文の執筆を行います。
各プログラムでは、次のよう研究を進めていきます。
「データサイエンス・プログラム」を選択した学生は、統計学、情報学の手法を用いて各自のテーマに取り組みます。 |
キャリアマネジメント・プログラムを選択した学生は、組織マネジメント、キャリア論、法律学等の手法を用いて各自のテーマに取り組みます。 |
各ゼミを紹介します。
近年、IoT、AI、ビッグデータ、ロボット等の新技術の進展により、保健福祉分野でも大きな変革が進んでいます。ゼミでは、保健福祉分野の諸問題について、統計的手法や情報技術を使った課題解決を模索します。
具体的には、ICTを用いたまちづくり、少子高齢化とAIやロボット技術、行政のデジタル化などのテーマに取り組んでいます。各自が取り組みたいテーマを設定し、テーマに関する資料やデータを収集し、統計的手法を用いたデータ処理等により課題を抽出します。さらに、データ解析や情報通信技術の活用による課題解決を検討します。
柴田ゼミでは、情報学を中心に、ICTやAI技術などを用いて社会的課題の解決を図ったり、福祉社会や幼児教育など様々な分野でのICTの活用について検討したりします。
たとえば、2019年度の卒業生はVRの福祉利用について研究していました。VRといっても映像VRだけでなく音響VRや触感VRなど様々な種類があります。これらVR技術を用いた高齢者支援、障がい者支援の事例を調査しながら、介護等を受ける側に対する支援、介護等を行う側に対する支援としてVRの活用可能性を探っていきました。
ゼミでは、社会的な課題に対して、データから結論をまとめ、他の人とコミュニケーションする一連の過程を学びます。統計分析・社会学・ジェンダー研究などの先行研究や文献を読み、社会調査やデータ分析について学びながら、基本的な知識と能力をつけます。その上で受講生各自が強く関心を持つテーマを設定し、そのテーマに適切な研究方法を選択して、研究を進めます。研究方法には、例えば受講生自身の調査によるデータ収集のほか、公開されている統計データや2次データの利用などが考えられます。ゼミや卒業論文作成のこれらの一連の過程から、データから結論をまとめ、他の人とコミュニケーションするスキルを体験的に学びます。
神谷ゼミでは、学生自身によるキャリアマネジメントのための知識とスキルを高めることを目標にして、学生の興味にも配慮しながら、以下のような幅広い勉強をしています。①ビジネス倫理、経営思想、医療倫理、②地方創生によるまちづくり、③ビジネスライティング、クリティカルシンキングなど。2022年度は、人間社会学部の全学科の学生が所属して、多様な視点から共に学んでいます。
法律学を分析の枠組として用い、自ら定めた課題に取り組みます。3年ゼミでは、法律学の基本的な方法論を学ぶため、基礎的な教科書を輪読し、報告と質疑応答をします。また、論文や判例の調査方法についても併せて学びます。4年ゼミでは、自分の研究テーマを決めて調査研究を進めます。2021年度の卒論テーマは、少年法の適用年齢、同性婚、義務教育における障がい者への合理的配慮でした。
本ゼミのメインテーマは、「キャリア」です。このメインテーマをもとに、若者のキャリア観、ライフキャリア(人生と役割)、女性のキャリア形成、組織のキャリア開発などについて、ゼミ生それぞれが自分のテーマを持ち、研究・考察を進めていきます。
ゼミ内では、文献の購読や個人研究の発表を繰り返し、発表をもとにさらに研究内容を発展させていきます。特に、関連図書はしっかり購読し、ディスカッションを行います。その際、教員は学術的な示唆を提供します。その上で、ゼミ生各自が最も関心を持つテーマを決め、インタビューやアンケート調査などを行います。ゼミと卒業論文作成をとおして、将来のキャリアについて前向きに捉えることができるようになります。