令和6年度に重点領域研究で採択された研究の概要です(8月末)。
研究代表者:芋川 浩
21世紀の科学である神経科学分野はめざましい発展を遂げている。その成果は我々の情報処理活動や神経系疾患等の解明に直結する可能性も高くなった。本研究では、SF映画でも登場するようなサイボーグ技術の第一歩として、AIと生の神経との接続および神経の再構築、それに伴う生の神経と機械の情報処理における神経機構の解析とそのギャップに関する研究を進めている。現在、未分化細胞からの神経細胞の分化および再構築研究を進めている。さらに、オルガノイド組織構築をクローン生物の再生と組み合わせて解析を進めている。
また、ラットの脳内で意識が生じる前の認知段階(感覚記憶)を反映する脳波成分が出現した。この成分は神経発達症のモデル動物では出現せず臨床所見に一致する。本研究では、脳オルガノイドの性質を遺伝子発現および電気反応の観点で解明するとともに、生体の意識の生理学的機構を解明することにより、意識と医療機器を神経情報によって直結するBMI (brain machine interface) 技術の進歩を促進したい。さらに神経発達症等の意識を脳内情報処理によって明らかにしていきたい。
研究代表者:尾形 由起子
少子高齢化が進展し、地域で生活する人々の生活習慣病への対策は、豊かな高齢期の生活にむけて必要な予防的対策です。生活習慣病の中でも腎機能の低下は、本人の健康のみならず、家族を含めた生活への影響が大きくなることや、透析患者の増加による社会的影響の大きさから喫緊の課題となっている。そこで、私たちは、福岡県における生活習慣病の重症化による慢性腎臓病(CKD)患者の実態と地域差を明らかにし、CKD患者の重症度別、年代別リスクを明らかにし地域ごとのCKD重症化の要因を検討することも目的に研究しています
重点領域研究は平成28年度からスタートしました(令和2年度より研究期間が2年間になりました)。
過去3年間に重点領域研究で採択された研究課題は以下の通りです。